【リフレクション】継続とか(2016〜2017に思うこと)
視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップの活動をはじめてから5年目となり、みなさまのおかげで新たな年を迎えることができました。これまで11都府県の美術館や学校で104回の鑑賞プログラムを開催し、のべ参加者は1580名(視覚障害者343名)となりました。参加してくださったみなさま、現場で一緒にプログラムを作ってくださったみなさま、本当にありがとうございました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年は新たな活動として、学校での授業を行う機会が増えてきました。6月に女子美術大学の2年生とアートマネジメントの授業を、7月には新渡戸文化小学校5年生と一緒にサイエンスココミュニケーションの授業、11月には群馬大学、群馬盲学校の学生さんと美術教育についての授業を行いました。それらの授業では講師として一方的に学生の皆さんに何かを教えるのではなく、一緒に答えのない問いについて考えてみるということを心がけました。
また9月には共著書「ソーシャルアート-障害のある人とアートで社会を変える-」(学芸出版社、たんぽぽの家編著)の中でワークショップで起きていることについて短い文章を書きました。文章を書くという作業は、改めて自分達の活動を見つめ直すとともに、他者に言語化して伝えることの大切さと伝えることの困難さを実感するという経験でした。
こうした新しい活動にのぞむことは、自分たちの考えを更新し、変化することにつながりました。一朝一夕には答えの出ない活動を続けていくには「継続」が大切だと思います。そこで必要な継続とは一定不変の継続ではなく、変化し続ける継続なのだと思います。今年もさらに新たな試みを増やしながら様々な立場の人と関わり活動の幅を広げていきたいと思っています。(2017.1.2 スタッフ林)