東京ステーションギャラリーにて空間観察ツアー(2015.11)
2015年11月15日、20日、22日の3日間、東京ステーションギャラリーのオープンウィーク内で『東京駅丸の内駅舎 空間観察ツアー 〜今日だけのガイドマップをつくろう!』という建築鑑賞プログラムを開催しました。計32名の参加者が6グループに分かれて、今日だけの出来事と出会いながら駅舎の回りを歩き、それぞれのグループが発見したものをもとにマップを作りました。
普段は何気なく使っている東京駅で少し立ち止まり、いつもと違う視点で観察してみると人の動きや偶然の出来事など様々な駅の表情が浮かび上がってきます。たくさんの人が行き交い、いろんな種類の出来事が同時多発している、そういう意味で東京駅は様々な顔を持っている立体的な駅と言えるでしょう。
参加者のみなさんがマップに刻みこんだ「今日」という時間は、東京駅の歴史として語り継がれることはありません。しかし、歴史は突然現れるものではなく「今日」の積み重ねによってできているものです。そう考えると、この3日間私たちは確実に東京駅の歴史の中にいました。「いま、ここ」という地点を見つめることで初めて脈々と続く時間の流れを意識できるのかもしれません。
ワークショップを通して完成した6つのマップはどれも視点が異なりユニークです。このマップを持って東京駅を訪れてもそこに載っているものには、もう二度と出会えないでしょう。でもその代わり、何かに出会う視点を携えて歩いてみると、マップには載っていないたくさんのものを発見できるかもしれません。東京駅へ行く際は、ぜひ試してみてください。
主催:東京ステーションギャラリー、視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ
※この鑑賞プログラムはアーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)の平成27年度 第Ⅰ期 東京芸術文化創造発信助成を受けて実施しました。
photo:中島佑輔