東京都庭園美術館にて「みんなで作るギャラリー・カンバセーション」(2015.10)

2015年10月17日(土)東京都庭園美術館で「空間」や「建築」を鑑賞するプログラム「みんなで作るギャラリー・カンバセーション」を開催しました。

庭園美術館は、様々な歴史的意味をまとっている場所ですが、このプログラムは、すでにある価値とは別に、今私たちが感じる「居心地」というものさしを持ちよって自分たちの見方でみてみようというものでした。

「あなたにとって居心地のいい場所を教えてください」という質問からプログラムはスタートしました。自然がある場所、自分の部屋、隅っこ、犬がいればどこでも…などなどいろんなバリーエーションの「居心地のいい場所」が参加者によって語られていきます。同じ「居心地」でも、どこによさを見出すのか、なぜそう感じるのかは様々でした。

その後、実際に庭園美術館を歩き、空間に何を感じるのか、それぞれが自分の言葉で語りました。おもしろかったのは、「居心地がいい」という尺度について考えていると自然とものさしがのびていき、反対側に「居心地が悪い」ことも浮かび上がってくることです。

参加者の中にはすでに庭園美術館を知っている方も多く、「私はやっぱりここが好き」「ここは歴史的意味のある場所だ、という考えを捨てられない。」と言っていたことも印象深いです。その方にとっては、何よりも「場所の持つ意味」が重要で、印象を左右する要素だったのでしょう。 ある場所に対して何か印象を抱くとき、私たちは無意識に多くのことをとらえ複合的に空間をみていると言えます。頭の中にあるイメージはきっと皆バラバラだけど、同じ空間と時間を共有している。そんな普段あたりまえにやっていることを裏側から覗いたような一日でした。