ビッグ・アイアートプロジェクト入選作品展にてワークショップ(2015.5)

2015年5月2日、9日にビッグ・アイアートプロジェクト入選作品展(会場:東京渋谷)にて視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップを開催しました。ゴールデンウィークの2日間、28名の方とビッグ•アートプロジェクトに集まった障害のある作家の作品を鑑賞しました。

今回の作品は、作家の好きなものや行為が作品にダイレクトに現れていて、作り手の人柄や生活がみえてくるような作品でした。美術館に収蔵されている作品と違って作家の障害や、支援者との関係が作品と密接に関わっているものも多くありました。

「この作家の動機はどこにあるの?」「作品の価値、おもしろさはどこから生まれるのだろう?」のように「美術」や「作品」に対する根本的な疑問を感じながらのお話しはとても楽しいものでした。 一方で「(障害者の作品に)つい意味をよみとろうとしてしまうのは鑑賞者の思い込みかもしれない」というコメントや 「むしろ美術館の作品を見るときの方が正しい意図やコンセプトを読み取ろうとする意思が働いてしまう」など、会話の中から自分たちの持つ「先入観」や「思い込み」「美術にまつわる制度観」が意識させられることもありました。そのこと自体が障害者の作品に対する鑑賞者の先入観だったかもしれません。 印象的だったのは「みる」という行為につきまとう先入観や思い込み、それを避けようとするのではなく「障害観」や「美術観」などの先入観や思い込みも話題にしながら鑑賞者どうしの対話がされていたことでした。先入観や思い込みもその人を表す見方の一つなのではないかと思いました。

主催:国際障害者交流センター(ビッグ・アイ)

【鑑賞作品】

《ひまわり》辻憲一
《ドッグレース》上田匡志
《無題》平野喜靖
《みんなで…》田久保妙
《鬼》藤田雄
《イスくん》岡本大地