群馬県立近代美術館 視覚障害者とつくる赤のコレクション鑑賞ワークショップ(2013.11)
2013年11月2日に群馬県立近代美術館(以下群馬近美)にて、「視覚障害者とつくる赤のコレクション鑑賞ワークショップを開催しました。 これまで群馬近美では視覚障害者を交えたプログラムはあまりなく、地元の視覚障害者の方にどれくらいニーズがあるか分からないという状況でしたが当日は視覚障害、聴覚障害の方も含め定員を超えて約20名の方にご参加頂きました。 県外からも関心を持った方や美術館関係の方も多くいらっしゃいました。
一言で「赤」といってもそれは観る人によって違うもの。 例えば「おばあちゃんと居た頃の赤」「移動する赤」「ローズちゃんの赤」「階級章の赤」「ハムの赤」などなど。 赤についての他愛も無いおしゃべりをしながらも、一人で見ている時には思いもよらぬ赤の名前をたくさん聴くことが出来ました。みんなで観たからこそ、隣の人が何を観ているのかということを垣間見ることが出来たのだと思います。 改めてその違いの面白さを知る時間になりました。
そんな風にしてみんなで鑑賞した作品は以下の通り。 どれも赤が印象的な作品です。
1、「魚、瓶、コンポート皿(小さなキッチン)」 パブロ・ピカソ 1922
2、「モデル午睡」 湯浅一郎 1903
3、「水」 山口薫 1941
4、「黒いベッド」 鶴岡政男 1966
単純な色の説明ではなく「奇麗な赤」「こわい赤」「まどろみを感じる赤」など 様々な実感をともなって観る絵はとても生き生きとしていた様な気がします。
群馬県立近代美術館では、デザイナーの斉藤名穂さんがつくったこのツール「さわる赤のコレクション」を使ってお子さんを対象としたワークショップなどいろいろな楽しみ方を考えているそうです。このツールを通して美術館の中でたくさんのユニークな会話が生まれれば良いなと思います。
【鑑賞作品】
「魚、瓶、コンポート皿(小さなキッチン)」 パブロ・ピカソ 1922
「モデル午睡」 湯浅一郎 1903
「水」 山口薫 1941
「黒いベッド」 鶴岡政男 1966
主催:群馬県立近代美術館
協力:視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ 「さわる赤のコレクション」
デザイン:斉藤名穂 ( naosaito design.) 群馬県立近代美術館友の会
photo:中島佑輔