ときわ湖水ホール アートギャラリー「粟津潔展 異種交配するデザイン 野外彫刻リサーチ vol.1」にて、鑑賞プログラム「みんなと味わうツアー」開催 (2024.3.10)
3月9日(土)・10日(日)、ときわ湖水ホール アートギャラリーにて開催された、「粟津潔展 異種交配するデザイン 野外彫刻リサーチ vol.1」にて、鑑賞プログラム「みんなと味わうツアー」を実施しました。
山口県宇部市で1961年から続く、世界で最も歴史ある野外彫刻の国際コンクール「UBEビエンナーレ。」その「UBEビエンナーレ」のポスターを長年担当した、日本を代表するグラフィックデザイナーのひとり「粟津潔」の展覧会にて、今回鑑賞プログラムを行いました。
3月9日(土)は、現地のアートコミュニケーターがプログラムを実施し、3月10日(日)は当団体の衛藤と花宮が進行を担当。地元の方を中心に、2日間で約20名にご参加いただきました。
粟津潔の様々な作品の中から、今回の鑑賞作品として選んだのは、「UBEビエンナーレ」の歴代のポスター。普段の街中に溢れている「ポスター」を改めてじっくり鑑賞するということは、私たちにとっても初めてでした。
黙って作品を5分間見続けてみたり、展示室の外の掲示板でポスターを眺めてみたり、ポスターを触ってみたり、数枚のポスターを見比べてみたり…その中でふと漏れた言葉から、問いが生まれ、鑑賞が深まっていきました。
「かわいいですね」「え、怖くないですか?」
「これ、宇部っぽい」
「なんか、ポスターじゃないみたい」「ポスターというかアートっぽい」
「今、これが街中に掲示されてたらちょっと浮いちゃいそう」
「時代なのか作家性なのか・・・」「豊かだったのかも」
そんなおしゃべりによって、ポスターという日常的なものの概念や定義がゆるがされたり、インクや紙によって印象が全く異なる印刷の面白さを再発見したり、それが制作された地域や時代に想いを馳せたり、60分のワークショップはあっという間に終了しました。
今回は、アートコミュニケーターの研修の一環としてもプログラムを実施させていただきましたが、今後は「UBEビエンナーレ」本展でもこのようなワークショップを開催していきたいとの。彫刻やアートが当たり前に溢れる街中で、あらゆる人が当たり前にアートを楽しめる。アートへのアクセスが「特別なこと」ではない、そんな場や取り組みが広がっていくために、これからも活動を続けていければと思います。
【鑑賞作品】
第6回現代日本彫刻展 ポスター 1975年 デザイン 粟津潔
第10回現代日本彫刻展 ポスター 1983年 デザイン 粟津潔
第15回現代日本彫刻展 ポスター 1993年 デザイン 粟津潔
第19回現代日本彫刻展 公募ポスター 2001年 デザイン 粟津潔
主催:UBEビエンナーレ
協力:視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ/アートコミュニケーター