学生スタッフが綴ったZINEの公開(PDF &テキストデータ)(2023.8)

私たちが、見てきいて話したインクルーシヴ鑑賞ワークショップの記録の表紙。タイトルが上半分に手書きの印刷で書かれていて、右下に白杖をもった人とガイドをする人のイラスト。
「私たちが見てきいて話したインクルーシヴ鑑賞ワークショップの記録」

2022年度に慶應義塾大学アート・センター(大学附属の研究センター)と視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップが協力して港区内の文化施設にてインクルーシヴ鑑賞プログラムを実施しました。そのZINE(記録冊子)のデータを公開いたします。

この冊子はチームメンバーの中でも若いスタッフが中心となって作成しました。学芸員補の吉岡萌さんとインターン生の福田真子さんの個人的な視点を大事にしながら事業の始まりから結果に至るプロセスがざっくばらんに綴られています。

22年度は、博物館(海洋大学マリンサイエンスミュージアム)、お寺(増上寺)アート・スペース(西脇順三郎展「フローラの旅」)などさまざまな場所で目の見える人、見えない人、見えにくい人が集まり鑑賞や対話の場を作ってきました。どの施設においてもインクルーシブな取り組みは始まったばかりでならうべき前例はそう多くはありません。目の見える、見えない、見えにくい、さまざまな見え方のスタッフや参加者が集まり、博物館の楽しみとはなんだろう、お寺での困りごとはなんだろう、詩を読むとは、散歩の楽しみとはなんだろう、さまざまな場所で「おしゃべり」をしながらプログラムを作り運営してきました。

ZINEのあとがきで執筆者の吉岡さんがこう語っています。「しゃべるという行為は冗長になりがちで、普通より多くの時間がかかっ てしまうことも事実です。でも、「おしゃべり」の過程にあったため息やもやも やした疑問、ちょっとした呟きから、何か新しいことに気づく機会を得ることもできます」(19ページ、編集後記より)

この事業では「インクルーシヴな場を作る」という目的を目指しつつ、一見すると遠回りに思えるようなおしゃべりの冗長性、雑談のようななんでも話せる環境作りが大事であったように思います。ZINEという個人的な視点で編集された冊子だからこそ遠回りしながら発見した出来事やディテールを大事に記録されています。

【記録冊子データ】

「私たちが見てきいて話したインクルーシヴ鑑賞ワークショップの記録」
PDF版とテキストデータ版2種類あります。私たちが、見てきいて話したインクルーシヴ鑑賞ワークショップの記録_pdf版
私たちzineテキスト版発行日:2023年3月24日 発行者:慶應義塾大学アート・センター
監修:慶應義塾大学アート・センター(渡部葉子、吉岡萌、福田真子)
執筆・編集:吉岡萌、福田真子
冊子の中身。制作者の自己紹介と「インクルーシブってなに?」のイラスト入り説明冊子の中身。