山形ビエンナーレ2022「現代山形考 〜藻が湖伝説〜」展にてワークショップ(2022.9.4)

山形市内で開催されていた「山形ビエンナーレ2022「藻が湖伝説展」」にて対面で鑑賞ワークショップを開催してきました。午前の回と午後の回、2回にわたって目の見える方、見えない方を含む18名の皆さんにご参加いただきました。地元山形の方を中心に宮城や、遠く関東圏からの参加者も交えてとても楽しい会となりました。

このワークショップでは、山形という土地に根ざした郷土資料(長瀞想画や風神雷神像など)や、場所に根ざして作成された作品(《関山トンネル》)を鑑賞したことからか「場所」にまつわる経験が多く語られました。例えば絵の中の「山」の稜線、色、表情、「収穫」の時期の温度感、晴れやかな雰囲気、意味あい、などなど。目が見える、見えないという立場の違いだけではなく、その土地に住んでいるのか、外からやってきたのか、によって物事の見え方が違うということがあらわになる瞬間が何度もありました。

そんなワークショップの様子が「Real local山形」というwebマガジンにて「わたしたちは、何を「みて」いるのか。/山形ビエンナーレ2022体験記」という記事として紹介されています。詳細なレポートです。よろしければぜひご覧ください。 https://www.reallocal.jp/102102

今回の山形でのワークショップ実施で嬉しかったことは、地元の参加者の方が「これから山形でもこういう会をやってみたい」とおっしゃってくれたことです。今回の経験をヒントにしながら山形市内のNPOが中心となってまずは2023年2月に実施するべく準備中なのだそうです。私たち以外の担い手によって対話の場が増えることを嬉しく思います。できることがあればお互い協力しあって、山形ならではの新たなプログラムが生まれることを楽しみに待ちたいと思います。(スタッフ林)

【鑑賞作品】
《長瀞想画》昭和初期 県内の小学生
《関山トンネル》青野文昭 2020
修復された《風神雷神像》を囲んで井戸博章さん(彫刻家・保存修復家)との対話

主催:東北芸術工科大学