三重県立美術館 「美術にアクセス!―多感覚鑑賞のすすめ」展にてオンラインワークショップ(2021.7)
2021年7月17日と18日に三重県立美術館にてオンライン視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップを2回開催いたしました。 たくさんのご応募がありましたが定員の都合により抽選をさせていただき2回のプログラムに15名(見える方9名、見えない見えにくい方6名)の方にご参加いただきました。
オンラインプログラムの大きなメリットは世界中どんな場所からでもご参加いただけることです。今回は地元三重県をはじめとして日本全国からだけでなく海外からの参加者もおられました。また、ネット環境のない方やZOOMの操作に慣れていない方は(人数を絞って)美術館にご来館いただきオンライン環境のサポートをしながら参加していただきました。
三重県立美術館では2015年頃から特別支援学校との連携授業に取り組みながら2018年から「誰でも利用しやすい美術館」を目指し、多様な人を対象とした活動を行っています。その一環として美術への多様なアプローチの仕方をテーマにした展覧会が「美術にアクセス!―多感覚鑑賞のすすめ」展です。鑑賞プログラムの一つとして「オンライン視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」を実施することになりました。当初は対面プログラムとオンラインを両方開催しようという予定だったのですが7月上旬には東京で緊急事態宣言が発出されたこともあり2日間ともオンラインで行いました。
参加者の声 実施後にはメールアンケートや口頭で感想を聞かせていただきました。「楽しかった」という嬉しい感想だけでなく、ワークショップの中で考えた事、「言葉とイメージの関係についての」疑問や戸惑いなど。さらにはワークショップのスタイルついてのとても参考になる具体的なアイデアなども 聞かせていただきました。美術へのアクセスを考える展覧会で様々な人が同一の経験をするのではなくバラバラなアクセスの仕方によって一人一人の経験が立ち上がっていた事を実感し嬉しく思いました。
知見や疑問の共有 今回は美術(館)関係者の関心が高く、見学希望なども多く寄せられたことも印象的でした。 新型コロナの感染状況をはじめとして社会の状況が日々めまぐるしく変わる中で様々な美術館でアクセスプログラムの実践と試行錯誤がされていますが、その知見はまだまだ共有されてはいないようです。私たちとしては美術館をはじめとした様々な立場の方々の連携をしながら新たな知見やノウハウ、新たな疑問や戸惑いを共有し話す場を作っていきたいと思っています。(スタッフ林)
展覧会詳細ページ https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/art-museum/000250135.htm
【鑑賞作品】
長原孝太郎《焼芋屋》制作年不詳(明治期)
中谷泰《烏賊のある静物》1950(昭和25)年
元永定正《Piron Piron》1975(昭和50)年
元永定正《作品funny 79》1967(昭和42)年
元永定正《O.-O.-O》1971(昭和46)年
元永定正《Nyu Nyu Nyu Nyu》1971(昭和46)年
主催 三重県立美術館