【記事紹介】スタッフ中川美枝子さんのインタビュー  Humans of TUFS「見ることそのものを捉え直す」(2020.6)

スタッフの中川です。2020年3月に公開された記事を紹介します。私が在籍していた東京外国語大学のウェブマガジン、”TUFS-Today”が私へのインタビュー記事として、「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」を特集してくださいました。私の修士論文を指導してくださった山口裕之先生にワークショップをご紹介したところ、この活動をとても面白がってくださり、今回の取材へと繋がりました。

私がワークショップに出会ったのは、ちょうど大学生活に悩んでいた時期でもありました。もちろん、大学では楽しい経験もたくさんしましたし、学業では先生方と職員さんたちから様々なサポートを受けていたことは事実です。しかし一方では、「自分はいったい何に困っているのか?」「自分が他の学生と共有できていないものは何か?」ということを見極めたり、周囲に伝えたりすることに難しさも感じていました。

そんな学生生活の中で、私はこのワークショップの活動を通じて様々なヒントをもらいました。「見るってそもそもどういうこと?」という切り口から作品に向き合い、スタッフ、学芸員さん、参加者の方々と語り合ったこと。ワークショップでの経験を大学の仲間と共有して、さらに掘り下げてみたこと。私にとって、「見ること」について考えることは、今でもなお、自分が目の前にした文章を読み解いたり、自分が置かれた環境をじっくり見つめたりするときの大切な切り口となっています。

このインタビュー記事では、私の大学での学びとワークショップでの経験とがどのように結びついているのかについてお話ししたつもりです。インタビューではなかなかうまく語りつくせませんでしたが、私が修士論文を書くところまで「言葉」や「伝える」というテーマに対して興味をもって取り組むこととなったのは、このワークショップの中でみなさんと語り合った経験がそれだけ強烈なものとして印象に残っていたからです。私にとってワークショップがどのような場所なのか、今後のワークショップでどのような出会いを楽しみにしているのかということを少しでもお伝えできたら嬉しいです。
【参考リンク】
東京外国語大学webマガジン
Humans of TUFS「見ることそのものを捉え直す」
博士前期課程・中川美枝子さん