長崎県美術館「ソフィ・カル-最後のとき/最初のとき」展にてワークショップ(2016.2.27)

2016年2月27日(土)に長崎県美術館(長崎県長崎市)で開催された「ソフィ・カル-最後のとき/最初のとき」展にて視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップを開催しました。 長崎県美術館は、ガラス張りのモダンな外観で、屋上からは海と山の両方を眺めることができるとても気持ちの良い場所にあります。展示室は天井が高く、ゆったりした贅沢な空間で、まれに船の汽笛が館内に心地よく響きます。

そんな美術館に地元の方、福岡や山口からいらした方、音訳の仕事をしている方など14名が集まり、一緒にソフィ・カル展を鑑賞しました。

ソフィ・カルの作品は写真と言葉(文字)で構成されているものが多く一見とてもシンプルですが、どれも人間の記憶や体験に深く関わ作品です。見えている情報を少しずつ言葉に置き換えてみると、その構造の複雑さが見えてきます。作品の構造が紐解かれていくのと同時に、参加者の感じ方や解釈も変化していきます。

みんなで鑑賞した2時間は、フィクションとノンフィクションの間を絶えず揺れ動き、作品のモデルになった人物と作者であるソフィ、そして鑑賞者の私たちの三者間で起きるイメージのズレについて語る時間だったように思います。

そして、翌日の2月28日には美術館のボランティアさんを対象にして「みえる人とみえない人がつくる美術鑑賞講座」を実施しました。4年間続けてきた団体の活動から見えてきた実感やノウハウについて話をしました。講演後は、ボランティアさんたちから「私たちにも何かできそう!」という心強い感想をいただきました。現在、長崎県美術館では視覚障害者情報センターと連携しながらテストケースを重ね、少しずつ多様な人を受け入れる準備を始めているそうです。今後の活動が楽しみです。

★2月27日、28日の様子は、長崎県美術館のブログからもご覧いただけます。

アトリエ便り「ソフィ・カル展関連企画「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」を実施しました。」→http://www.nagasaki-museum.jp/atelier/index.php?e=224 28日→http://www.nagasaki-museum.jp/atelier/index.php?e=225