横浜美術館コレクション展 「人の形を見る―不思議な具象」展でのワークショップ(2012.7)

2012年7月22日(日)に横浜美術館の協力のもと「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」を行いました。 視覚障害者と晴眼者が一緒にチームを組んでそれぞれの印象と言葉を介した鑑賞WSです。

視覚障害者にとってなじみのない美術鑑賞の機会を広めるという目的ももちろんありますが このWSの本質的な影響はむしろ晴眼者にも大きくあらわれると思います。 言葉を交わしながら印象を語り合うことで一瞥しただけでは気付けない作品の魅力に迫ることが出来るからです。 「みえる」「みえない」という異なる感覚、異なる生活文化を持つ人同士が一緒になっておもしろさをさがし、 その場を作り上げる。コミュニケーションありきの鑑賞WSです。

たったひとつの客観的な正解にたどり着くことが目的ではありません。 参加者同士がそれぞれ感じていて少しずつ違っているであろうイメージを伝え合い、複数の主観を集めて新しい見方が生まれることが大事なのだと思います。 「鑑賞」で重視される客観性をもとに静かに厳かに鑑賞するというイメージとは かなりかけ離れたこのWSによって美術のおもしろさ、新たなものの見方、新たな謎や疑問、を発見する場をふやしたいと思っています。

【鑑賞した作品】

《王様の美術館》ルネ・マグリット
《座像》フランシス・ベーコン
《自画像》河野通勢

主催:視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ